懸垂下降こわい

先週末、所属する山岳会で裏妙義の岩場、木戸壁右カンテに遊びに行ってきました。

アクセスは悪くなく、廃業した国民宿舎前の駐車場に車を停めて、丁須の頭へ向かうハイキング道を3、40分程度歩くと右手に大きな岩壁が見えるところです。

ごつごつの堆積岩

こちらの岩壁は、花崗岩でも石灰岩でもなく、岩の中にこぶし大の大きさの石を含む堆積岩、「礫岩(れきがん)」からなるので、ホールド、スタンス共に豊富で難しくはないのですが、岩の中の礫がポロッと外れてしまうことがあるし、落石も起きやすいので、注意が必要と先行記録にありました。

上の写真のように、ごつごつとした礫が、岩の表面に出ています。これがポロッと外れなければ登る上では問題ありません。

ピッチは10mから20mぐらいに細かく区切られています(その理由は後ほど)。クライミング初級者にも登れて、4P以降は、非常に高度感もあるので、マルチの練習をするのには最適だな、と思いました。

懸垂下降は失敗が許されない

このルートは、上に抜けることができないため、登ったら、そのまま下に下降しなくてはなりません。

登ったところを素直に降りるだけだから簡単だろう、と思ってしまいがちですが、先行パーティーさんは4Pの登る方向から右手側の垂壁を懸垂下降してしまいました。登りのルートとは異なるので、懸垂支点はありません。テラス状の安全な場所もありません。登り返すか、トラバースして安全な場所まで移動する必要があります。

私はこの区間をリードで登っていたのですが、横に並んだ時に軽く声をかけたぐらいで、進退極まっているのかまでは判断がつきませんでした。

我々は、3人のパーティーで登っていたのですが、サードの大先輩が気になって声をかけたところ、窮している状況だったので、ダブルロープ2本のうちの一本を4P終了点から下に垂らして、サポートすることになりました。

多元中継の中で

先行パーティーも3人。我々も3人。

それぞれがそれぞれに会話を交わしつつも、サポートする懸垂下降した先行パーティと我々との間でも連絡を取り合うので、さながら、多元中継しているような、意思疎通の混乱も見えました。

こういう時は、はっきりと意思表示をして、確認を取らないとダメですね。でも、口で言うほど簡単ではないです。

懸垂怖い

懸垂下降は、正しい手順で、正しい方向に、きちんと降りないと、取り返しのつかない事態を招きます。

岩場での死亡事故原因の大半は、懸垂下降に付随するミスからきます。レスキューの練習課題の一つでもありますが、登り返しは楽ではないです。いつもシャントとマイトラ(マイクロ・トラクション、アセンダーの一つ)をもっているわけではありませんから。

最悪、カラビナ2枚と120cmのスリングがあれば、登り返しはできますが、30m以上を登り返すのは楽ではないです。

先行パーティーのサポートが終わり、今度は我々パーティーが下降する段階なのですが、今度は4Pから3P終了点に降下した後でロープを回収する際に、出っ張った医師と壁の間にすっぽりと綺麗にロープが挟まってしまって、抜けなくなってしまいました。

こうなってしまっては、挟まってしまった場所まで登り、ロープを回収しに行かなくてはなりません。しかし、幸いにも先ほどサポートした先行パーティの3人目がまだ上の方にいらしていたので、その方にお願いして回収していただきました。

ロープが岩と礫の間に挟まる可能性が高いので、ピッチを細かく区切って、懸垂下降した方がいい場所なのですね。

ロープが簡単に落ちていかない

ごつごつした岩なので、ロープを下に下ろしても、すぐに途中で引っかかってしまいます。私は、懸垂下降で最初に降りる役割を担ったので、バックアップをしっかりとって、引っかかっているロープを丁寧に外して、下に降ろしながら降下しました。いい練習になりました。

きちんとバックアップを取っているので、懸垂下降中の写真を撮ることもできます。

ロープダウンしたロープが理想的な状況にならない時もあります。そんな時は、丁寧にバックアップを取り、確実に懸垂下降する技術が大切なのだなと、実感しました。

慎重に、丁寧に

山にいるのですから、いい加減なことはしてはいけないです。

慎重に、かつ丁寧に、そしてスピーディーにテンポよくこなせなくては。

焦らずに、確実に、技術と心構えをレベルアップしていきたいですね。

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