馬龍峰と洗馬譚(センバタン) 雲南省大理

仕事の出張なのですが、はるばる中国の南西の果てに近い、雲南省の観光地、大理に行ってきました。ここ、結構気に入りました。

北緯25度、標高2000メートルと、台湾と同じ緯度にありながら標高が高いので、常春の街。空気もさらりとしていて、とても快適に滞在できました。もっとも、滞在時は雨季の直前で、カラカラに乾燥しきっていたからかもしれません。

ヒマラヤ山脈の西の外れに相当する、蒼山連峰とその麓に広がる「洱海(中国では7番目の大きさの湖)」の景色が雄大で、平野には古い町並みである大理古城と近代的な大理下関とのコントラストなど、とても興味深いところでした。

会議のために行ってきました

「地球の歩き方 成都・九寨溝・麗江」を用意して、観光気分満々で大理に乗り込みました。でも、本当に仕事です。外資系の会社にいると、年に1回のペースで、リゾート地のホテルに「合宿する」ような感覚で、「会議」と言う名のトレーニングと情報共有と戦略共有をする機会があります。まさに缶詰状態なのですが、非日常の中に身を置くことで、一旦リセットしてゼロベースで考えることができるからなのだろうと、肯定的に理解しています。そのような場所で会議をするのが、欧米人は好きなんですね。

例えば、有名な「ダボス会議」も有名なリゾート地です。

さて私が行ってきたのは、「大理」 です。冒頭にちらりと解説しましたが、あの「大理石」の語源になっている地です。古くからの交通の要衝として、栄えていた街です。こういうところには、いい景色というのが存在するのです。それが、「蒼山(そうざん)」の景勝エリアです。

蒼山景区(そうざんけいく)

5月末までは、通常冠雪が残っているそうですが、2018ー19シーズンは記録的に降雪が少なかったそうで、訪れた5月末では沢筋に少しの残雪を残すだけで、いつもより早くシャクナゲの花が咲き始めていました。

地球の歩き方によると

南は大理市下関から北は洱源まで、洱海に沿って連なる全長約42kmの山が蒼山。海抜3500m以上の峰が19あり、そのうち7つは海抜4000m以上(最高峰は海抜4122mの馬龍峰)。

保護管理された観光地になっていて、遊歩道が整備されています。麓からロープウェイで富士山よりも標高の高い、3900メートルまで、お手軽に登ることができます。

まずは、ゴルフ場のカートのようなミニバスに乗り込みます。(経費節減なのか、全部のシートが埋まるまで出発してくれません)

階段の上にある白亜の建物がロープウェイの駅舎。観光地らしく、ショップと合成記念写真のサービスを提供しています。

ロープウェイを2機乗り換えして、最上部に行きます。だからチケットはこの2枚。

ぐんぐんと高度を上げ、大理旧市街の街並みが眼下に広がります。結構なスピードが出ています。

ロープウェイを降りたらそこは3900メートル

ロープウェイの終点を降りると、ひやっとします。気温が低いです。それもそのはず、1500メートル以上登っているので、標高が高い分、気温は低くなります。でも、大丈夫。写真の左手側に防寒着のレンタルがあります。同行したメンバーの何人かは、そちらで防寒着(ベンチコートみたいなもの)を借りていました。

私は、山慣れしていますので、きちんとウェアを着ていましたし、防寒・防風用のコンパクトなウィンドブレーカーも持っていましたので、大丈夫でした。

ロープウェイを降りて左手側に進むと、ドーンと最高峰の馬龍峰が出迎えてくれます。

その下には、標高3900メートルの看板が。

高山病に気をつけましょう

よくある間違った観光ガイドにありがちなことですが、スケジュールに追われて、そそくさと遊歩道に案内してしまいがちです。でも、急激に高度を上げたので、体が空気の薄さに対応することができません。すぐに息切れし、高山病の症状を出やすくしてしまいます。

ロープウェイを降りたら、最低でも10分程度、できれば30分ぐらい、駅の付近でのんびり景色を楽しみ、トイレを済ませて、体をある程度高地に慣らしてから、遊歩道を歩くようにしましょう。

意気込んで、いきなり平地と同じように歩いてしまうと、頭痛や吐き気などの高山病の症状を招いてしまいます。遊歩道のあちらこちらで高山病の症状に悩まされてうずくまっている観光客の姿を見かけました。

焦らず、じっくりと、いい景色を楽しみましょう。

最初は下り階段

ロープウェイを降りると遊歩道は30mぐらいの下から始まります。息切れすることなく、階段状の遊歩道を降りることができるので、必要以上にペースを上げてしまうのでしょう。一歩、一歩、ゆっくりと談笑しながら降りることをオススメします。

しばらく下ると、左側に分岐が現れます。ここを左側に進路をとって、登り返していきます。両手に高山植物、シャクナゲの花を楽しみながら登ると、広い展望台に出ます。ここにはトイレもありました。

ここで標高3920メートル。さらに道は上方へと伸びています。

写真の右側に伸びる遊歩道は、馬龍峰への登山道につながっているようなのですが、通行が制限されています。警備員もいますので、登山には特別な許可がいるのかもしれません。見た目では、登山道はしっかりしているようで、遠くに登山者の姿を確認することができました。ですが、ロープウェイでお手軽に登ることができる場所なので、軽装で登山することによる事故が絶えないからだと思います、登山は厳しめに制限している様子です。

洗馬潭、そして最高地点の展望台

天気に恵まれました。青空に向かって、遊歩道の階段を登ります。

高地ですから、深く呼吸に意識を集中して、登ります。富士山登山と同じ要領です。

やがて、ため池のような、小さく水を湛えた池に出会います。「洗馬潭」です。

氷河の名残の池ですね。

もう少し登れば、最高地点の展望台。

洗馬潭を見下ろしながら、背後に馬龍峰がすっと、スマートに立ち上がっています。

馬龍峰の右側下には、青々とした洱海が広がり、山と湖、氷河地形を楽しむことができます。

最高地点は、海抜3966メートル。富士山山頂(剣ヶ峰)より190メートルも高いです。

帰り道は遊歩道をまっすぐ、ぐるりと周回

存分に景色を楽しんだら、ゆっくりと下り、遊歩道をまっすぐに周回することをお勧めします。全部を回るには、1時間半から2時間ぐらい、余裕を見ておくと良いと思います。

今回は、9時過ぎにロープウェイに乗り、お昼ぐらいに降りてきました。

山ですから、午前中の方が天気が安定すると思います。

山屋さんの目から見ると

登山を趣味にしている視点から、この観光地を見ると、まだこの地域では登山を趣味にしている人口は少ないだろうな、という印象です。

大理石の名前の由来になった、採石の地ですから、岩には恵まれています。でも、クライミングのルート開拓は全くなされていない様子です。ハイキング道、登山道も、あまり整備されていない様子です。

ただ、安全対策の面もありますから、それほど簡単なことではないのかもしれません。

高地まで手軽にロープウェイで登ることができるのは、まるで中央アルプスの木曽駒ケ岳のようです。

登山がポピュラーになれば、雪山の練習地として脚光を浴びそうな気がします。

一般観光客の視点から

普通の観光としてもとても魅力的です。

まず、手軽であること。雪解け後の6月は高山植物が花開き、シャクナゲの花が満開になるそうです。

私が訪れた時は、ポツポツと黄色いシャクナゲと白いシャクナゲが咲き始めたところでした。これが満開になると、とても綺麗だろうな、と想像できます。

もし、また大理に来る機会があれば、きっとリピートするだろうなと思います。

良い散歩でした。

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