RSS登録している「ハーバード・ビジネス・レビュー」に、こんな論文が紹介されていました。
誘いを断る口実に「時間がない」はもうやめよう | HBR.ORG翻訳リーダーシップ記事
同僚とのランチから冠婚葬祭への出席まで、友人・知人から何かしらの誘いを受ける機会はあるだろう。声をかけてくれたこと自体は嬉しい反面、ただでさえ貴重な時間やお金を投じることには躊躇する。そんな経験はないだろうか。そうした誘いを断る口実に「時間がない」と伝えるシーンはよく見られるが、筆者の研究によると、それは誘った側の親近感を著しく低下させるという事実が示された。
断る口実に「時間」は適切なのか?
相手を思う気持ちはあっても、自分ではコントロールできない障害がある時、それを包み隠さず伝えられるほど、風通しの良い関係は稀でしょう。大人としての事情をうまく隠しつつも、相手との関係を損ねないように、上手に、やんわりと、「断る」ことができれば、人間関係で悩むことが一つ減りそうです。
時間は、富める人も貧しい人にも、一律で公平に与えられる、リソースです。だから、その時間を誰のために使うか、というのは、人間関係における「GIVE」というか、「贈り物」の最たるものだと思います。他人(ひと)が、自分のために時間を割いてくれるというのは、何よりも嬉しいものです。
だからこそ、その逆の対応を取られると、ちょっと寂しいものを感じてしまうものなのでしょう。
ご紹介した論文には、こんな調査をしたそうです。
米国在住で、結婚式を予定しており、すでに招待状を出した327組のカップルには、「十分なお金がない」あるいは「十分な時間がない」という理由で、出席を断った招待客が両方とも平均で2件あり、それぞれの理由で誘いを断ってきた相手への親近感がどのように変化したのか尋ねた。
この調査では、お断りの直前までは同じぐらいの親近感だったのに、「時間がない」と答えた招待客への親近感が「お金がない」招待客に比べて大きく低下したのだそうだ。
親近感に影響を及ぼすのは「コントロール」できる問題なのか?という点
「お金」の問題は、今すぐに簡単に解決できる問題ではないこと多いと筆者は説く。
確かに。
「急な出費」問題が悩ましいのは、予算としてあらかじめ準備できなかった多額の出費が日常生活やその先のお金のやりくりに多大な影響を及ぼすからだ。そう、軽く対処できる、コントロールできる問題ではない。
一方で、「時間」はどうだろう?
誰にでも公平に与えられるものだからこそ、「私のために時間を使ってくれないの?」という寂しさを感じるように、対処できる問題に対処してくれない、というちょっとした不信感のようなものを感じるからなのだろう。
人は一般的に、「時間は比較的コントロールしやすいはずだから、本当にしたいことであれば、何としてもそれをする時間を取れるはずだ」と考えるようだ。したがって、相手が時間のないことを口実にする場合は、その口実に不信感を抱く可能性が高まり、これが結局のところ、相手への親近感に影響を及ぼすのだ。
時間管理技術を磨くわけ
いわゆるLifehack的なものが、時間術に関する話題を追いかけるのは、スタートラインが誰にでもできることだからだ。
時間は公平だからこそ、相手のためにも、自分のためにも、「最善の方法」に到達したいと誰もが考える。それ以外のリソース、「お金」や「仕事そのもの」は、人それぞれだ。不公平感すらあるだろう。だから、共通の話題として扱いにくいのだ。
そんな話はともかく、「時間をどのように使うのか?」という問題は、「どう生きるのか?」と同じことだから、相手への最大の贈り物として機能する。
恋愛に焦がれていたときを思い出すと、「一緒にいたい」という強い気持ちが支配的だった。それが高じて、「人生を共にしたい」となるからこそ、結婚したのだろう。
つまりは、時間管理技術というのは、人生をコントロールする技術に直結するのだ。自己実現などという眉唾な話ではなく、人間関係を円滑にして、望む人生を送るために、持っていた方がいい技術なのだ。
時間がないとは言いたくない
私個人にしてみれば、「時間がない」とは言いたくありません。
できるだけ、「わかった、ちょっと調整して、時間を作るね」と答えたいです。
それができるように、不要・不急の予定はなるべく入れないで、本当に自分が大切なもの・こと・人のために使う時間を最優先で配分できるように、管理方法、技術を一歩ずつ高めていきたいと思うのです。