ネガティブな気持ちをリセットする方法〜輪ゴムぱっちん法

もうすぐ、熱戦の続いた「バンクーバー冬季五輪」が終わりますが、スポーツを見ていると「気持ちの切り替え」がいかに大切なのかという場面に多く出会うことが出来ます。

既に限界に近いところまで鍛え上げられた肉体と技術を持つ選手間の争いなのですから、最後の最後は、「心」だったり「気持ち」というマインド面のちょっとした差が、勝敗を左右するのですね。

さて、一般の我々は、そのような厳しい競争に遭遇するわけではありませんが、すくなくとも「挑戦する気持ち」や「あきらめないで、戦い続ける強い心」などの大切さは、同じだと思います。平たくいえば「ポジティブな気分」でいることの大切さということです。

陽があれば陰がある。東洋的な思想では、相反するものが混じり合い、調和するものであるという世界観をもっていますが、この「ポジティブな気分」というのも同じように、相反する「ネガティブな気分」というものと一括りにして考えなくてはなりません。どちらかを切り離してしまうのではなく、所を変え、日を変え、それらは交互にやってくる、しかも、突然に変化するもの、として認識するのがよいのではないかと思います。

ポジティブな気分にだけに支配されて、ネガティブな気分が一切無い」というのは、立派な病気です。その逆の「ネガティブな気分だけに支配される」というのも大変な心の病気です。そういう、極端な例は置いておいて(一般の人は精神科のお世話になるところまでいっていない)、どちらの気分も、それぞれやってくるもの、望むと望まないにかかわらず遭遇せざるを得ないものです。
肝心なのは、「ネガティブな気分」をずるずると引きずって、「負のスパイラル(心のデフレスパイラル)」に陥らないように工夫することなのではないかと思います。

小宮一慶さんは、「どんな時代もサバイバルする人の「時間力」養成講座 (ディスカヴァー携書)」において、「ネガティブな気分でいる時間:不満や怒りを感じる時間」を短くすることが大切であると説き、「輪ゴムぱっちん」というHackを例示しています。
輪ゴムぱっちん法
ネガティブなことを思った瞬間に、あらかじめ左手首にはめた輪ゴムを引っ張って、「ぱっちん」とやる。

この方法は、
「自分を客観的に見ている自分」

「『ぱっちん』とやる身体感覚」
ネガティブな気分を断ち切るという方法です。

えっ!そんなことで、切り替えが出来るの?と思われた方もいらっしゃるかと思います。

ですが、仏教的な視点からするととても優れたHackなのです。

スリランカ初期仏教長老のアルボムッレ・スマナサーラさんの「怒らないこと―役立つ初期仏教法話〈1〉 (サンガ新書)」に、こういう説明があります。
怒りを見られた瞬間、怒りは消える
怒りとは自分の中から生まれるものですから、解決方法は、「毒そのもの」を抜くことしかありません。ヴィパッサナー瞑想法(お釈迦様が教えた、悟りに至る瞑想法)でいう、「今の瞬間の自分に気づくこと」です。
ですから、怒りが生まれたら、「あっ、怒りだ。怒りだ。これは怒りの感情だ」とすぐ自分を見てください。怒りそのものを観察し、勉強してみてください。
そうすると、怒りは生まれたその瞬間で消えてしまうはずです。消えてしまったら、心は次の瞬間を感じようとすることが出来ます。

頭だけで、ネガティブな気分になったときに、「ああ、ネガティブな気分だ!」とすぐに自分を見ることを思い出すことは困難です。しかし、輪ゴムをぱっちんとやることで、「いま、ネガティブな気分になっている!これはどういうことだ?その原因を観察しよう!」というように体への刺激を利用して、はっと我に返るきっかけを用意してあげるのです。この点が、Hackとして優れているところなのではないかと思います。

この、ヴィパッサナー瞑想法を利用した「マインドフルネス瞑想法」というものがあります。自分が意識していない、内なる自分の声に耳を傾けることで、問題の存在を認識し、それを意識することで、変化を起こしていくという方法です。興味がある方は、ぜひ、こちらの本をお薦めいたします。この本もとても興味深い知見にあふれた本でした。

マインドフルネスストレス低減法

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