価値をつくるとのせるの違い

間もなく夏季休暇。

昨日は必死に仕事を終わらせたので、今日なクルージング・モードでなるべく仕事したくないです。

さて、休暇前に駆け込むようにやってくる仕事をバッサバッサとぶった斬っていく中で、値上げの根拠を示す資料を作って欲しいという依頼がありました。

真正面から取り組むと厄介な依頼です。まずはじっくり考えることにしました。

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価格とは価値である

経済学の原則でも、商売の基本でも、なんでもいいのですが、価格(値段)とは、そのものの持つ価値であると信じています。ですから、「安かろう、悪かろう」は私にとっての当たり前になっています。「いいものを安く」は商売上の方便であって、信じていません。

例えば、デフレ経済で、諸外国と比較して実質賃金が一人負け状態の日本は、外から見れば価値が低下してお手頃になっている国に成り下がっています。だから、観光できるのですね。

さて、ジリジリと貧しくなっている日本ですから、みんなで一緒に貧しくなりましょうと言うぐらいに、「値上げ」に対する悪感情を持っているのが困ります。なぜなら、世界経済は成長し続けていますから、人件費も、モノの値段も、少しずつ上昇しているのです。それにもかかわらず、「値下げ」を平気で要求する姿勢には悪寒を覚えます。自分勝手な駄々っ子にしか見えないからです。

物事に対する正当な価値に見合う価格でなければ、世の中おかしくなってしまいます。そして、仕事の報酬というのは、提供した価値に見合うものであるべきです。

価値を創造するか、上乗せするだけか

さて、仕事には2つの種類に大別できます。

  1. 価値を生み出す仕事
  2. 他人が生み出した価値にのるだけの仕事

例えば、製造業では、医薬品、化粧品や特殊素材産業のように、低価格な原材料を用いて、高価値の製品を作る仕事があります。元々の原材料費は100円程度であるものを、数千円以上に倍率をかけて価値を作ることのできる仕事です。

こうした仕事の価格を決めるのは、そのものが提供する価値に対する市場の評価です。

一方で、組み立て工程のように、誰がやってもそれなりにできる仕事があります。この仕事の価値は、かかるコストに適切な利益を乗せただけのものにしかなりません。全てがガラス張りで、他よりも高い価格を請求すれば、他所に仕事が流れるだけの仕事です。こういった仕事は、ネット社会により情報が共有されればされるほど、安く買い叩かれます。

すなわち、価値を生み出す側につけば、市場価格から逸脱しない程度に、倍率で値段をあげることができます。反対に、価値に乗るだけの仕事は、元々の原価をベースにコストを積み上げるだけの価格しか請求できなくなるのです。

値上げの根拠は存在するか?

そもそも、儲けたいのだから、値段を上げたいのが売る側の常識です。

一方で、コストを抑えたいから、買値を下げたいのが買う側の心理です。

よく、値上げの根拠は何か?と仕事で聞かれますが、本質的には利益を確保したいからです。でも、それを口にすることはできません。それなりの理屈をつけなくてはなりません。

ただ、文化のギャップに困る時があります。それは、価値を生む側の産業が、価値を乗せるだけの産業に販売する時です。倍率計算で考える産業が、足し算でしか考えない産業に販売するのです。衝突は必至です。

類まれな技術、新しい方法、人が思いつかなかった工夫など、生み出す価値を高める努力をした、倍率計算で価値を創造する側にとって、値上げの根拠はインプットの元々のコスト(G)に増えたコスト(A)を足し、これまで適用してきた倍率(V)を掛けることに他なりません。

数式に表せば、

   (G+A) x V

で計算します。

一方で、足し算でしか考えられない仕事は、

    G+A

となります。すなわち、新たに想像する価値の倍率(V)が1の場合に相当します。

価値の倍率が1を超えてくれば、請求する値上げの金額は元々のコスト増を超えてより高く請求することになります。

オンリーワンの強みと価値創造

他に代替が効かない、オンリーワン、というのは、市場で価値を持つ限りは最強です。市場での価値の倍率(V)を適用して、インプットのコスト増に対応できるからです。

ただし、市場で価値を保つ、向上させるのは大変なことです。それなりのリソースを要します。だから、大きく儲けることはできるけれども、同時に大きく投資していかなければなりません。留まっていたら、市場価値は下がるだけですから。

上記の考察は、何も企業や仕事に限ったことではなく、人生にも大いに当てはまるものです。自分で考えることなく、他人が敷いたレールの上を走っていると、他人が決めたコスト計算で、あなたの価値が買い叩かれてしまいます。

自分で価値を認めさせたいのであれば、大変ですが、価値を生み出す側に回らないといけないのです。

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編集後記

なんでも、言うは易く行うは難し、です。でも、自分から価値を創造する側に回ろうと思わなければ、何事も始まりません。覚悟を持って、修羅の道に進むしかないのです。搾取されたくなければ。

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