「すぐやる」「あとでやる」の仕分けは?

タスク管理において、一番難しいのは、今すぐやるべきなのか、後でやるか、を的確に仕分けることです。

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どちらもしなくてはならないことなのだから、とにかくすぐにやってしまうべき、と降りかかる火の粉を払いのけるかのようにてきぱき処理しようとするのは危険です。

偽りの充実感に潜む危険

なぜならば、全ての事柄についてその場その場で反射神経的に対応していると、仕事をしている充実感と満足感が得られます。時間の経過も忘れるぐらいに、集中して対応していると、「できる自分」に酔いしれてしまいます。

でも、残念ながらそれは偽りの充実感にすぎません。

対応した事柄は、あなたにとって本来やるべきことだったのでしょうか?もっと、本来やるべきことから目を背けて、目先のやりやすいことに対応してしまっただけなのではないでしょうか?プレイング・マネージャーと言いながら、マネージメントを疎かにしてプレーヤーだけになっていませんでしたか?

やりやすい仕事を優先する弊害

「DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー」2018年4月号に掲載の「やりやすい仕事を優先する弊害」によると、

「仕事が完了することで個人は気分がよくなり、短期的パフォーマンスを向上させる。しかし長期的な生産性を見ると、タスク完了バイアスを示す労働者の生産性は著しく低いものとなる」と、研究者は述べている。

タスク完了バイアス(Task Completion bias)とは、片付けるべき仕事のリストが長くなると、人は別の形で選別をし始める傾向があり、「終えた」という感触を得るために、完了しやすい仕事を優先しがちである、ということである。

この際に問題となるのは、重要であるかという視点を持つことなく、単に終わらせることによる充実感を追求しがちになってしまう点にある。

スーパープレイヤー気取りで、バンバン仕事しているつもりで自分は仕事ができる人間だと過信していると、本来やるべき仕事に目が向かなくなります。

本来やるべき仕事

本来やるべき仕事とは、自分に期待されている貢献を果たすことです。

優れた業務処理能力を期待されているわけではないのです。

営業ならば、売り上げ目標や、利益目標を達成することですし、技術であれば期待されている技術課題をクリアして、会社の業績に貢献することです。間接業務であれば、本業に集中できる環境を低コスト・低負担で実現できるようにすることです。

「重要な仕事なんだけれども、急ぎではない」という範疇に属する仕事ばかりです。

重要な仕事というのは、早急な対応を要求されるものではないのです。じっくりと腰を据えてやらないと、とても実行できない、実現できない、困難でタフなものばかりです。だからこそ、リーダーやマネージャーがやることを期待されているのです。

本来やるべき仕事から目を背けると

それなのに、日々の忙しさにかまけて、じっくりと取り組むべき本来の仕事を軽視していたらどうなるか?

それは火を見るよりも明らかに、「重要な仕事なんだけれども、急ぎではない」という状態から、「とっても重要で大切な仕事なのに、全く時間が無い。間に合わない。!!!」という、惨憺たる状況に陥り、期待を裏切ってしまうのです。

ヤーキーズ・ドットソンの法則を理解する

ヤーキーズ・ドットソンの法則によると、覚醒レベルとパフォーマンスには逆U字型の相関関係が成立し、タスクの難易度によりその逆U字型の相関関係がシフトするとされます。

難易度の高い仕事、すなわち本来やるべき仕事は、覚醒レベルが低い方(リラックスした環境)がパフォーマンスが高くなりやすいが、簡単な事務作業については逆に覚醒レベルが高い方(緊張感にあふれた環境)が良いパフォーマンスを発揮しやすくなるという。

この法則を先の「タスク完了バイアス」の話題に適用すると、タスクを完了させることによる充実感を得るために、完了しやすい簡単なタスクを好んで選んでガンガン仕事をしてしまうと、ストレスレベルが高いところで高いパフォーマンスを発揮するような状況となってしまう。しかし、このようなストレスレベルが高い領域では、本来するべき大事な仕事のパフォーマンスは期待できなくなってしまう。

前掲の「やりやすい仕事を優先する弊害」の記事によると、タスク完了バイアスに毒されている人の長期的なパフォーマンスは低かったそうである。おそらく、目先の完了しやすい仕事ばかりを優先し、本来やるべき仕事を全うしていなかったから、長期的なパフォーマンスが悪くなってしまうのだろう。

日々の忙しさをある意味で無視して、「本来やるべきこと」のための時間を捻出する必要があります。その第一歩が、すぐやるかあとでやるかの判断をしっかりできるかということなのです。

「すぐやる」「あとでやる」の仕分け方法

では、どうやって仕分けたらいいのでしょう。

実はそれほど難しい問題ではありません。

「自分が本来すべき仕事か、他の誰かでも代替が効くか?」の一点だけを考慮すればいいのです。

  • 自分にしかできないこと
  • 自分に期待されていること

それだけをまず選別します。その上で、

  1. 関係者の時間をおさえるべきか?
  2. まとまった時間を要するか?
  3. 暫定的な決定をすぐにすることで、致命傷にならず、時間を稼ぐことができるか

を考え、その瞬間、瞬間の最優先事項から、実行や手配をするのです。

換えの効く仕事は、誰かがやってくれるかもしれないので、優先すべきではないのです。部下でもできるなら、部下に任せるのです。そして自分は、もっと難易度が高く、重要な自分に課せられた本当の仕事を優先させるのです。

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編集後記

言うは易し、行うは難し。

でも、こうしたことを意識するか、しないかで、長期的な成長の伸び代は、大きく左右されるものだと思います。

本ブログ記事の感想、ご意見などございましたら、お気軽にコメント欄にご記入ください。

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