タクトタイムを意識する

仕事をしているときに、

「タクトタイム」というトヨタ生産方式でよく出てくる概念を日々の業務に拡大解釈したらどういうことになるだろうか?

というアイデアがひらめきました。

タクトタイムというのは、

タクトタイム | J I T基本用語集
顧客から要求された品物を1つ造るのに必要となる時間もしくはピッチをいう。これは機械能力や人員数によって決められるものではなく、市場から要求された生産数量と稼働時間が判断基準となる。算出する式は次のとおり。

1日当たりの生産数量=1ヵ月の生産数量/稼働日数

タクトタイム=1日の稼働時間/1日当たりの生産数量(日当たり数)

それゆえタクトタイムで物を造るということは、顧客・市場の要求する必要数によってラインピッチを決める」ための平準化生産を意味する。

出典:JIT経営研究所 平野裕之著 | 平準化

として定義されるものです。(アンダーライン:筆者)

これを拡大解釈してみましょう。

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顧客・市場の要求?

拡大解釈の第一歩は、「顧客・市場の要求する必要数」です。

より一般的な、一人ひとりの仕事に置き換えてみると、これは「あなたに要求される仕事の総量」ということです。

今日一日、今月、今年一年間に、あなたにして欲しい「貢献」の総量、ということです。

しかし、工業製品であれば「誰かが販売計画、生産計画を立ててくれる」ものですから、「顧客・市場の要求する必要数」を決めるのはそれほど難しくないと思われるでしょう。(実際はそうでもないのですが)

ところが、自分の仕事に関して、一日の仕事の総量を把握するには、相当のレベルにまで成長していないと難しいものです。仕事をまるまる任されるようになるには、相応の実力が伴っていない限りあり得ないからです。

それでも、ある程度仕事の見積もりを付けることができるようになれば、「仕事の総量」をおぼろげながらでも掴むことはできるでしょう。

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タクトタイムを決める

拡大解釈を進めると、「一日の稼働時間を1日あたりの生産数量で割る」ということは、1日の業務時間を1日の仕事の総量で割るということになります。要するに、今日やる仕事を細分化したときに、その一つ一つの作業にかかる時間を割り出す、ということになります。

でも、これだとなんかおかしい。一つの作業にかかる標準の時間を平均的に求めるというほうが現実的でしょう。

作業Aをするときに必要とする時間は、18分。

このようなどんな状況でも、一定して発揮できる生産性の指標として、タクトタイムを決めるのが妥当だと思います。

仕事量の増減とタクトタイム

ところで、仕事の量が多いとき、どのように考えていますか?

普通は、いつもと同じ定時で仕事を終わらせようと、一つあたりの作業時間を短くしようと考えがちです。

しかし、「平準化生産」という視点では、そうしません。
多くの仕事を終わらせるには、同じタクトタイムで、業務時間を長くすることで対応するのです。「普通に残業して対応する」ということです。

一方で仕事の量が少ないとき、タクトタイムの概念を使うと、業務時間を短くして対応することになります。

何だかおかしな考え方のように思いがちですが、間違ってない考え方でしょう。
というのは、「同じ作業をするのに、速い・遅いという作業に要する時間が増減することはあり得ない」という現実を前提にするからです。

仕事の速度を状況によってコントロールすることは、一見可能のようですが、同じことを速くやったり、あえてゆっくりやるのは、とても非効率的です。だいたいは意識せずとも、同じ速度でやることができます。ゆっくりになってしまうのは、集中していなかったり、普段はしないよけいなことをやっているから、寄り道しているから、結果的にそうなっているだけなのです。

仕事の量が少なければ早く帰ってもいいはず

ということはです、たまたまその日の仕事量が少なかったら、定時まで会社にいる必要はないのです。わざわざおしゃべりとかして、通常のタクトタイムを超過してゆっくり仕事を行い、時間調節する必要はないということです。

そんなことをしていると、自然とタクトタイムの仕事のペースが乱されて、タクトタイム自体が長くなる、すなわち「仕事のスピードが遅くなってしまう」という弊害を生んでしまいます。

さっさと仕事を切り上げてしまえばいいのです。

仕事の量が多いときは残業でカバーする、が

逆に、仕事の量が多いときは、焦ってタクトタイムを短縮しようとしても無理です。

まずは残業で業務時間を延ばして対応するしかありません。それでも困難なときは、マネージャーの責任です。現実を報告して、仕事量を調節してもらわなくてはなりません。

それと同時にやることは、仕事の進め方の革新、自分のスキルの向上を図り、地道にタクトタイムを短縮する改善を進めるのです。でも、これは一朝一夕にはできません。相当の経験を積む必要もあります。

短期的には業務時間の増減で、長期的には自己革新

タクトタイムの考え方を適用すると

  • 一つ一つの作業には適正な標準時間がある。それは、要求される仕事の量と業務時間の関係でだいたい決まっている。
  • 仕事の量にタクトタイムを掛けることになるので、仕事の量の増減に応じて業務時間が連動することになる
  • 仕事の量が多くて慢性的な残業状態が続くときは、上司に相談して仕事量の最適化を図る一方で、自身のレベルアップと仕事のやり方の見直しですこしずつタクトタイムを短くする努力をする
  • いつものペースで仕事をすると早く終わってしまうのは、仕事の量が少ないから。それは自分の責任ではないから、さっさと帰ることに問題はない。

ということになります。

自分の現状を反映しているな、と苦笑いしてしまいます。そう、早く帰る状況が続いているからです。

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編集後記

忙しい状態に耐えることには免疫がありますが、そうでない、「ひま」な状況に耐える力は弱いのです。でも、こうして合理的に考えてみれば、それは仕事の総量が少ないということで、自分自身ではコントロールできないことです。とはいえ、自発的に仕事をつくっていく努力中ですが、なかなかうまくいかないものです。

本ブログ記事の感想、ご意見などございましたら、お気軽にコメント欄にご記入ください。

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