問題を解決しようとするのではなく、チャンスを活かすことに注力する

フォトリーディングでざっと読んだ後、ずっと心に残って味わい深い本があります。

“マインドセット ものを考える力” (ジョン・ネスビッツ)

普通の人には見えていないが、未来が予測できる人がいます。その違いはどこにあるのだろうか?に対する答えとして、「マインドセット:ものの考え方の違い」にあることを解説している本です。

問題の解決は、過去に対する回答でしかない

問題解決法、プロブレム・ソルビング、ロジカル・シンキングなど、未来よりもどちらかというと過去に注目して、改善を進めていくという方法があります。トヨタの「カイゼン」もより目の前の事象に注目している傾向にありますが、どちらかというと過去に重点を置いた思考方法といえます。

未来は過去の延長線上にあるから、過去の問題を解決できれば、より良い未来を創ることが出来る。

とっても正しいような気がします。ですが、学問的には、それでは問題があることが明らかになっています。

イノベーションのジレンマ


“イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)” (クレイトン・クリステンセン, 玉田 俊平太)

イノベーションのジレンマは、「問題解決的」に今ある事業で正しいことをすればするほど、破壊的イノベーションによって葬り去られやすくなることのジレンマを、HDDの技術真価と市場の進化を例にとりながら解説した、MBA必読の書です。

過去の成功にとらわれると、その成功体験から逃れることが難しくなる、とはよく聞く話です。これまでうまくいっているから、今度も大丈夫だろう、という考え方ですし、もっと閉鎖的に表現するなら、この方法がこれまで一番良い方法だったから、リスクを冒してまで新しいことをやる必要はない、ということになります。

日本人は、過度にリスクを嫌う民族ですから、どうしても過去の延長線上でしか物事を考えられない傾向にあります。ゆえに、「過去の問題を解決する」ことでしか未来を創ることができない性向にある、といえるでしょう。であるからこそ、「起業家」は生まれにくいのもあると思われます。

なぜ日本は衰退しているのか?

失われた10年が、20年になり、そして30年、40年へと、下降曲線を描いている日本。それはなぜだろうか?と考えてみると、過去を手本とし、問題解決を図る、というマインドセットに元凶があるのではないかと思うのです。

欧米諸国に追いつこうとしていた、明治初期から中期。そして、戦後の高度成長期の日本。この時代に共通するのは、「よき手本」があったことと、新しい技術を導入しやすい環境で問題解決することで大きな利益が見込めたことにあったのではないでしょうか。こういう状況であれば、日本人的な「マインドセット」にとって、非常に優位であったと思われます。

しかし、帝国主義による覇権争いの時代、現材のような多様性に満ちた変化に富んだ環境、においては、解決すべきと考える「問題」が非常に根深い原因を解決しなくてはならなかったり、複雑怪奇なものになっていることが多く、簡単には解決できません。進歩も早いので、過去の問題を解決したかと思ったら、また新しい問題が出現したり、新しい技術による破壊的イノベーションの脅威にさらされたり、技術革新により過去の問題は全く省みる必要がなくなったりします。

「過去」だけに執着していたら、目の前のバスに乗り遅れ、競争力をどんどん失っているのが今の日本という、リアルな姿でしょう。

今すべきは、「チャンス」に注目すること

前述したように、「課題解決」だけを志向していたら、目はどうしても過去へと向いてしまいますし、それで新しいモノが生み出せるか?というと、あまりにも変化に富んで進歩のスピードが激しい現在では厳しいといえます。発想の転換が必要とされています。

「チャンス」、すなわち「機会」をとらえ、それをものにすること。そのスピードがまさに問われています。「既に起きている『未来』」を見つけ、そこに「チャンス」を見いだし、躊躇せず実行することです。それには、「Risk」という言葉の定義を正確に理解する必要があります。

  1. ピンバック: Masamori Ono

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です