「紙の新聞」と「新聞の電子版」の違いと情報処理方法について

1週間ほど前から、日経新聞の電子版の購読を始めました。

でも実は、その半年以上も前から、「日経新聞」と「読売新聞」の二紙を購読しています。

今さら新聞ですか?

ええ、以外と新聞は情報の取捨選択をするのに便利なのです。

宅配新聞の利点

宅配の新聞を購読するメリットは何だと思いますか?

私が思う最大のメリットは、「様式が統一されたPUSHのメディア」であることです。ほとんど毎日決まった時間に配達され、記事が紙面ごとにカテゴライズされていて、一定のフォーマット・仕様で統一された、情報媒体です。ネットのニュースのように速報性はなく、専門雑誌のような突っ込んだ深い内容はなく、「特集」というものもあまりありません。しかし、限られた誌面の中で、見出しやリード文、配置などの副次的な情報から、新聞社が判断したニュースの重要度、世間一般の関心事などを見ることが出来ます。

文章で書かれていることよりも、誌面から得られる印象、個々の記事の取り扱いといった相対的な情報を読み取ることで、瞬間瞬時に吹いている「社会の風」を掴むことができるからです。読書のやり方でいうところのフォトリーディングや、「周辺視野」を活かす情報収集術といえるでしょう。形式が統一されていて、情報が予め整理されていて、一覧性があるからそういったことが出来るのです。

宅配新聞の短所

短所はいうまでもありません。佐々木俊尚さんが指摘されているような問題点は、一向に解決される気配がありません。民主党が政権奪取したときにスポットが当てられた、「記者クラブ問題」も期待する方向への変化は見られません。

あくまで、「PUSHのメディア」すなわち、押しつけられる情報ですので、多面的な解釈を求めることは困難ですし、紙面にはない他の重要なニュースはないのか調べる手立てがありません。紙面が限られていますので、ニュース情報の深みや論説が多いわけでもありません。当然、自分が興味を持っている分野のニュースの取り扱いが少なく、浅いのが問題です。であるからこそ、ネットでブログを読み、Tweeteをフォローし、自分が知りたいことを深掘りするのです。

なぜ、電子版の新聞を?

日経新聞の電子版の購読を決めたのは、新聞記事の切り抜きやメモを取るのが面倒だからです。それにつきます。

以前は、iPhoneで気になる記事を写真に撮り、Scanソフトを使って台形補正などをして、Evernoteなどに取り込むという方法をとるか、記事をスキャナで読み取りEvernoteに取り込むなどの方法をとっていましたが、これが面倒くさい。

取り込んだデータが、PDFか画像データになるのですが、この検索性もよろしくない。画像中の文字をOCR的に検索できるEvernoteであっても、不十分です。新聞記事はもともと文字情報だから、テキストデータである方が、検索性が良いのは当たり前です。ですから、文字情報として、Evernoteなどにクリップしたいのです。そうすれば、あまり検索能力の高くはないEvernoteであっても、ノートの山の中から欲しい情報を見つけ出すことが簡単に出来るでしょう。

私の記事の取り込み方法

  1. まず、紙の新聞にざっと目を通します。そして興味を持った記事をピックアップします。
    (このときには文章を読みません)
  2. ピックアップした記事を電子版のほうでブラウザに表示させます。
    新聞の各面ごとに記事が整理されているので、企業総合面とか、マーケット総合などの面で探し、
    次いで、目的とする記事のタイトルを探すという感じで、とても探しやすいです。
    ちなみに夕刊はこんな感じです。
  3. 例えば、「エンジョイ読書」で取り上げられた本が気になったとします。
    その場合は、エンジョイ読書をクリックして、その記事のタイトルを表示します。すると、こんな感じ

    で、一番下の「中日ドラゴンズ論」が気になったとします。まあ、個人的に落ち合い中日ファンなので、、、

  4. 記事のタイトルをクリックすると、本文を読むことが出来ます。あとは、取り込みたい範囲を選択して、Evernoteにクリップするだけです。
  5. すると、以下のようにキレイなかたちでEvernoteにクリッピングできます。

手間が掛かる?

一見したところ、ずいぶんと手間の掛かるように思われるかもしれません。ですが、新聞を一通りざっと読んでおいて、これは!と感じた記事をEvernoteに残しておこうとしたとき、紙の新聞であればどの面にあったかをだいたい覚えているものです。ですから、その位置情報を元に、電子版の記事情報へたどり着くのは簡単なことです。 検索するのではなく、記事に付随する情報から、目的の新聞記事にたどり着くのです。

これは新聞を切り抜くより簡単なことです。はさみなどの道具を必要としませんし、写真を撮ったりスキャンする手間を省くことが出来ます。それになにより、テキストのデータをEvernoteに格納できるのです。美しいノートとして取り込むことが出来るのです。さらに、Evernote上での加工も簡単です。

なんで、「紙」+「電子版」なのか?

電子版は、はっきり言えば面倒です。電子版を中心に読むくらいなら、Google Newsのほうがはるかにニュースの網羅性が高いでしょう。いちいちメニューをクリックして、今あるニュースを確認し、さらにクリックして記事本文を表示させなければなりません。よほどの暇な人であれば、十分楽しいのかもしれませんが、そんな余裕はありません。そんな時間的な余裕があったら、子どもと話をする時間に充てたいのです。子どもが子どもでいる時間は一瞬でしかなく、子どもにとってのその一瞬は一生を左右する大きなものであったりするのですから。

そんなとき、紙は便利です。子どものおもちゃになります。というのは冗談ですが、「ながら」の処理が簡単にできます。子どもと話しながら新聞紙を眺めるだけでいい。テレビを見ながら新聞を見ても良いし、通勤の友としても。そうやって新聞を眺めている間に、自分のアンテナに引っかかったものだけを後で電子版でピックアップし、Evernoteなどへ格納する。これならちょっとの時間で出来ます。手も汚しませんし、切り抜きのゴミも出ません。スクラップするような手間もありません。新聞紙はそのままのかたちで残りますが、リサイクルに出したり、お掃除などの資材として様々な活用方法が残されています。

紙の新聞と電子新聞は全然違う

何が違うか。

それは、紙面の制約があるか無いかということです。

電子版は、情報を載せようとすれば、際限なく公開することが出来ます。しかし、情報ソースとしての新聞は、「紙面という制約」があるために、有効スペースに配分するための記事の取捨選択、優先順位付けを必要とします。こういった物理的な制限があるからこそ、新聞社のメッセージが発生します。そのメッセージを利用して、自分の情報アンテナを向けることが出来ます。これはとてつもなく便利なことです。

電子版のように、ニュースの箇条書きリストから気になるものを選択し、それを読む、という方法では、どのニュースの取り扱いが大きいのか掴むことができません。そこには、新聞社が情報を集め、読者のために情報を整理し、優先順位をつけて提示する、というメリットを読者として受けることは出来ません。

電子版の新聞であるならば、ニュースの入り口は紙の新聞と同じように紙面という物理的な制約をつけるべきです。実際にiOS用の産経新聞はそのような方法をとっています。そしてさらに個々の記事を読んだ読者に対して、さらにこんな情報もありますという、関連ニュースの「レコメンド機能」が必要なのではないでしょうか。それは、ブログを読み進めるときに、あまた貼られている相互リンクを辿って、多様な情報を集めるように、新聞にこそ多面的な情報・分析へのネットワーク構造を作って欲しいものです。

そういった意味で、日経新聞の電子版は、本来電子版の新聞が持つべき利点を何ら提供していません。あくまで、外出先からも記事にアクセスできる、そして記事のスクラップが容易に出来るという点だけです。このことだけに、+1000円支払うことが出来るのか?と問えば、正直厳しいですね。自分と妻とで、iPhone、iPad、iPod Touch、Mac、会社のPCといったあらゆるディバイスから新聞に接続できるという点だけで、評価しています。IT機器を一つだけに絞られたら、絶対利用しないですね。もっと、情報の二次加工を容易にしたり、さらに考察を深めるための関連ニュースをうまくレコメンドするなり、工夫が欲しいところです。

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